秘密が始まっちゃいました。
そりゃ、女子の多くは噂好きだけど。
荒神さんは私も例に漏れずそうだと思ってたのね。


「だけど、望月は誰にも言わなかった。どころか、飲み会で涙が出ちゃった時にも、すぐに隠そうとしてくれた。俺のキャラとか、立場とか考えてくれたんだろ?」


私は返答に困る。
なにしろ、半分はそうだけど、残り半分は私欲だからだ。


彼の泣く姿を誰にも見せたくなかった。

あんな綺麗な姿、私しか知らなくていいと思っちゃったんだ。

荒神さんは自分の泣く姿を格好悪いと思っている。女子は引いてしまうだろうと思っている。
だからこそ、涙を克服したいんだろうけど、きっと彼の涙を見たら女子の大半は落ちてしまうに違いない。
虜になってしまうだろう。

そのくらい、綺麗でセクシーで胸をかき乱される姿なんだ。


ずるい私は、それを彼に教えてあげない。

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