秘密が始まっちゃいました。
その晩、私は同期で新婚の瑠璃とごはんだった。
今日は新宿の洋食屋さん。
地下の薄暗い店内、木製のテーブルにハンバーグの鉄板を乗せて、いつもの気の置けない定例会。
瑠璃に赤ちゃんができるまでは続けたいな、この会。
「なるほどねぇ」
瑠璃はハンバーグをもりもり食べながら頷いた。
「強烈キャラだねぇ、羽田さんってば」
結婚式の後、瑠璃には少しだけ荒神さんの話をしてある。
といっても、涙もろいって話は完全に伏せ、「仕事で関わるうちにたまにごはんに行くようになった」って程度。
これだけでも、十分瑠璃の妄想をかきたてたようだけど。
「親の会社を継がせようとは、なかなかの妄想力で親近感を感じるけど、日冴の荒神さんをやりたくないなぁ」
「誰が私の荒神さんじゃい」
私はミックスプレートのチョリソーをかじった。
盛り上がるのは周りばかり。私の不確定な気持ちなんか置き去りだ。
今日は新宿の洋食屋さん。
地下の薄暗い店内、木製のテーブルにハンバーグの鉄板を乗せて、いつもの気の置けない定例会。
瑠璃に赤ちゃんができるまでは続けたいな、この会。
「なるほどねぇ」
瑠璃はハンバーグをもりもり食べながら頷いた。
「強烈キャラだねぇ、羽田さんってば」
結婚式の後、瑠璃には少しだけ荒神さんの話をしてある。
といっても、涙もろいって話は完全に伏せ、「仕事で関わるうちにたまにごはんに行くようになった」って程度。
これだけでも、十分瑠璃の妄想をかきたてたようだけど。
「親の会社を継がせようとは、なかなかの妄想力で親近感を感じるけど、日冴の荒神さんをやりたくないなぁ」
「誰が私の荒神さんじゃい」
私はミックスプレートのチョリソーをかじった。
盛り上がるのは周りばかり。私の不確定な気持ちなんか置き去りだ。