秘密が始まっちゃいました。
「どちらにしろ、猛アタックの羽田さつきの噂はパーっと広まると思うし、そうすると目下一番親しい日冴のことも急浮上でしょ?次の抱かれたい男投票は動きがあるかもね」


「荒神さん、一位陥落?」


「わかんないけど」


私や羽田さんのせいで荒神さんの人気が下がる?
それって、彼的にはどうなんだろう。
結構、この称号を誇りに思ってるみたいなんだけど。


「荒神さんの人気の今後は置いといて、私は日冴が好きなら早くモノにしちゃった方がいいと思うよ」


瑠璃はもっともらしく言った。

好きなら……それがよくわかんないんだよ。
ただ、私の胸にあるのは、彼の涙を誰にも見せたくないってことだけ。そして、泣いているなら、抱き締めてあげたい、そんな欲求だけ。

これって、なんなの??

ただの独占欲?恋ではない?

あー、正々堂々の羽田さんの方がよっぽど荒神さんに相応しい気がしてきた。
少なくとも彼女ははっきりきっぱり荒神さんが好きなんだもん。
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