秘密が始まっちゃいました。
③
金曜日、私はまだむくれていた。生理前レベルで気分がすこぶる悪い。
羽田さんが異動してきたのが月曜、二人が腕組んで歩いていたのが水曜、それから丸2日。私の不機嫌はMAX値のまま。
あー、なんでこんなにイライラするんだろ?荒神さんが誰といたっていい。
羽田さん、変な子だけど悪い子じゃないし、このまま婿入りしたら彼も社長職を継げる。
荒神さん、玉の輿じゃーん、イェーイ!
……だめだ、全然納得できない。
苛立っている最中に、荒神さんからメールがくる。
『今日、どこか時間とれない?夜、六さしは?』
なーんで、この期に及んで私を誘うかな?
羽田さんと腕組んでランチしてろ!
私は即座に返信。
『スミマセンが、お昼も夜も予定ありです』
真っ赤な嘘ですけどー。
でも、これから隣の席の真子を誘うから、厳密には嘘にならない。