秘密が始まっちゃいました。
するとメッセージはすぐに返ってきた。


『5分でいい。相談したいことがあるんだ』


火急の用事のようだ。
断ってしまった手前、私は忙しさを装いつつ、歩み寄って返信。


『今の仕事が片付いたら、少し抜けられそうです。11時に一販課に伺います』


荒神さんからの返信はこうだ。


『ありがとう。一販課はまずいので、非常階段で頼む。できれば、羽田に見つからないように来てくれると助かる』


はあ?なんのこっちゃ。

早くも浮気相手ポジな扱いじゃないですか?
いっそう気分が悪くなる。

しかし、11時に私は指定の非常階段に向かった。
一販課の前を通らないように、わざわざ一階から非常階段を使って行ったのだから、おおいに感謝してほしい。
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