秘密が始まっちゃいました。
「最後に！羽田さんとデートでしたら、私には関係の無いところで、どうぞご自由に」


私は厳然と言い放った。

結局この一言に尽きる。
なんで、他の女とのデートに協力してやらにゃあならんのかい。


「お付き合いを前提とするなら、涙の件も告白したらどうですか？羽田さんならわかってくれると思います」


私は最高に面白くない気分で言う。彼の涙を知る女子は私だけだと思っていた。
でも、彼が交際する女子なら今後はこの件も知っておいた方がいい。彼にも好きな女に秘密を告白する勇気が必要だ。

心配しなくても、羽田さんなら荒神さんのすべてがOKなはずだ。


「え？俺、羽田とは付き合わないよ？」


荒神さんが困惑した様子でにやけながら言う。
今更何言ってんだ、この男。
デートするんだろうが！


「一昨日も仲良さそうに歩いてたし、明後日はデートなら、お付き合い間近かと思いましたけど？」


私は冷たい視線を送りながら言う。荒神さんが慌てたように髪をがしがしと掻いた。
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