秘密が始まっちゃいました。
「おお!恩に着るよ!望月!愛してる!」


抱きつこうとする荒神さんの腕を、両手で突っ張り全力で拒否した。
冗談でも勘弁してよ。
ドキドキするのはこっちだけなんだから。


「で、もうイッコお願い。今度は望月んちで頼みたいんだ」


「ええ!?うちですか!?嫌です!」


拒否パートⅡ。うちに荒神さんが来るなんて、考えらんない!掃除してないし、明日までなんて無理!


「いやぁ、実は羽田の独り暮らしのマンション、うちの近所らしいんだよ。先週引っ越してきたって。最寄り駅もバチ被り。
うちで望月と会ってたら、万が一見つかった時、ド修羅場だろ?」


ド修羅場……想像するだけでぞっとする。
っていうか、近所に居を構えるとは。
本気でストーカー疑惑が出てきたな、あのお嬢さん。


「明日の昼間は、俺、前話したおやっさんのところに顔出す約束があるんだ。奥さんに線香もあげたいし。望月のうちには、夕方に行くからさ」

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