秘密が始まっちゃいました。
前夜祭と思わぬ事態
①
土曜日、厳密に言うと金曜の夜から、私は家を掃除しまくった。
新宿から25分の最寄り駅、徒歩10分のアパートは築10年とそれほど古くはないけれど、荒神さんのスタイリッシュなマンションと比べたら、あきらかにショボイ。
うち、革張りのソファとかないもん。
それなら、せめてキレイにしておかないと!
私は掃除機をかけ、床を雑巾で磨き、窓の桟を拭き、雑誌を縛り、流しを磨き……とにかく忙しく立ち働いた。
明け方ばたりと寝てしまい、午前10時くらいに起き出す。
掃除の続きと、一応簡単な夕飯の準備を。
そんなんこんなで気付けば17時。
スマホには荒神さんからメッセージが来ている。
新宿を出た旨の連絡だ。
私はよれよれの掃除用部屋着から着替えて、メイクをして、自転車で出動した。