秘密が始まっちゃいました。
「ほら、カップルっぽい会話するぞ。本気で芝居しろよ?」


荒神さんがもといた床に降り、座り直す。
私はどうしたもんか困って、微妙な顔で立ち尽くしている。
すると、荒神さんが私に向かって手を差し出した。


「日冴、早くココ座れよ」


名前……呼び捨て……。
ちょ……待って。
心臓やばい。すごいスピードで脈打ってる。

私は赤い顔で、彼の隣にすとんと座る。


「な、日冴、明日どこ行く?」


荒神さんが普通に会話してくる。
設定上、明日は二人でどこかに出掛けるらしい。


「さぁ、……どこにしましょう」


荒神さんが顔をしかめた。


「こら、カップルで敬語かよ。俺のことも名前で呼べよ?はい、俺のファーストネーム覚えてる?」


そんなの……覚えてるに決まってるじゃん。
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