秘密が始まっちゃいました。
気付いた時には、私はベッドに寝ていた。自分で這い上がったのか、荒神さんが抱き上げて寝かせてくれたのかはわからない。

時計は8時をさしていた。バスルームから音がする。荒神さんが支度をしているのだとわかった。

早いなぁ。彼だって、あんまり寝てないはずなのに。
床で寝ていて身体は痛くないかな。

一晩中ついていたエアコンを消し、窓を開け空気を入れ替える。
肌寒い日曜の朝だ。天気は悪くなさそう。
荒神さん、風邪引いてなきゃいいけど。


「おはよ、望月。洗面台借りたぞ」


当の荒神さんがバスルームから出てきた。
ジーンズにブロックチェックのシャツ姿の荒神さんは、オフのイケメンお兄さんって感じ。ビジュアルから、おしゃれな美容師さんにも見えそう。


「今、簡単な朝ごはん作りますね」


「ありがと、助かるわ」


深夜のキス未遂なんてなかったみたい。
夢だったって言っても納得できる。
< 198 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop