秘密が始まっちゃいました。
デートの顛末と招いた結果
①
新宿三丁目駅近くのシネコンに到着したのは一時間後。
シネコンの入るビルの裏手は広場になっていて、その向こうを大きな国道が走る。
小広場にはカフェワゴンが来ていることが多く、今日もイタリアンコーヒーのワゴンが店開き中。
その簡易座席で羽田さんは待っていた。向かいに荒神さんも座っている。
現れた私を見つけると、羽田さんが勢いよく立ち上がった。
ビクビクしている私に大股で歩み寄る。
彼女は一目をはばからず大声で言った。
「昨夜、荒神さんと過ごされていたと伺いました!」
爛々とした目には怒気が閃き、強い眼光が私を射抜く。
それは彼女の完璧なメイクとハイウェストのミニ丈のワンピースと、まるでそぐわない迫力だった。