秘密が始まっちゃいました。
②
翌火曜日、私は眠い目をこすりつつ出社した。
……あんまり眠れなかった……。
昨夜の瑠璃との会合以来、私の頭の中は様々なことがグルグルと回っている。
荒神さん大嘘つき疑惑。
泣き虫が実は私の気を引くための嘘?
瑠璃お得意の妄想だとは思う。
さすがにそこまで器用な人はいない。荒神さんの涙する姿に惹かれこそすれ、不自然さは感じなかった。
でも、いきなり豹変して私に強引なアプローチをしてくる荒神さんのことがわからない。
もしかして……なんて疑いたくなる。
ああ、私のバカ。
彼の好意を拒否してる原因は私の内面が問題なんでしょ?
まるで責任転嫁みたいに、荒神さんに原因求めてどうすんのよ?
会社の地下一階に更衣スペースがある。女子社員の多くがここで制服に着替えてオフィスに向かうんだけど……。
眠れなかった私は早々出社してしまった。始業まであと一時間半くらいある。