秘密が始まっちゃいました。
④
「おまえが俺を嫌いでも、俺は別れる気はない」
荒神さんは自信たっぷりに言い切った。それは不遜と言ってもいいくらいな態度。
別れる気って……お兄さん。
私、彼を避けまくって不興を買ったんだよね?
そういう話をしてたよね?
私は、恐る恐る反論する。
「……別れるって……、私たち、付き合ってませんよね」
「周りはそうは思ってない。おまえの気持ちはどーでもいいとして、俺たちは『付き合ってる男女』って認識されてるんだよ。ってことで、俺は別れるのは拒否。断然却下。おまえは表向き、俺の彼女のまんま」
「はぁ!?」
思わぬ言葉に、私はムカッとした。
私の気持ちはどーでもいいですと?
なんか、その言い草、随分勝手じゃないですか?
私の結論を待つスタンスでありながら、もし私が交際お断りをしても、それには応じないってことでしょ?
なんじゃい、そのストーカー的論理は!