秘密が始まっちゃいました。
「もしもし」


私は受話を押し、スマホを耳に押し当てた。しかし、すぐに耳から離すこととなる。
甲高い声が音量全開で耳に飛び込んできたからだ。


『まーまー、日冴ちゃん!久しぶり!!』


電波の向こうで好子おばちゃんは今日もテンションマックスだ。
このバカでかい声はスピーカーにしなくても、充分会議室中に響き渡っている。
荒神さんにもよく聞こえているだろう。


『お写真見てくれたぁ?』


早速、好子おばちゃんが本題に入る。私の反応を一切待たずに続ける。


『手紙にも添えたけど、私とあちら様としては、お見合いみたいな堅苦しい雰囲気はやめようと思ってるのよ。ただのお食事会って雰囲気でやりたいの』


「お見合い!?」


好子おばちゃんの声が丸々聞こえてしまった荒神さんが驚いて叫ぶ。
私はそれを完無視して、電話の内容を聞く。
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