秘密が始まっちゃいました。
『あらぁ!よかったぁ!お約束は桜山荘ホテルに11時なんだけど。一応、お着物を用意してあるの。9時には来てね』


「了解しました!絶対行くからね!」


私は勢いよく言って、電話を終えた。


荒神さんが驚愕のまま固まった顔で、私を見ている。
私は彼をぎりっと睨むと言った。


「ということですので!」


荒神さんの返事を待たず、一気に小会議室から飛び出した。


心の中は
『してやったり』と
『やっちゃった』
の思考が入り乱れ、嵐のようだった。



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