秘密が始まっちゃいました。
降って湧いたこの距離は、私たちにどんな影響をもたらすのだろう。

明日は金曜、荒神さんが帰国するかも、私は知らない。
そして、明後日の土曜には、私のお見合いが待っている。

はぁ、あの場の勢いで受けてしまったお見合いも、気が重くてしょうがない。

私のバカ……。
大バカ……。

もう、ホントだめだ、私。



*****




翌金曜日、私はいつもと変わらぬ時間を過ごした。
フツーに出社し、フツーに仕事。
定時を少し過ぎて仕事を終え、帰宅準備をした。

更衣室から総務部のオフィスに戻り、まだ残る平野部長に声をかけて、オフィスを後にする。
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