秘密が始まっちゃいました。
「そうですね。写真で見る限り、お見合いなんて必要無さそうな男性でしたし」
「イイ男だったのか?」
荒神さんが少し口を尖らせて問う。
私は笑って、彼の手をぎゅうっと握り直した。
「荒神さんの方が断然イイ男です」
「じゃあ、そろそろ名前で呼んでくんない?」
スネたような口調にことさら胸がときめくのは、恋が始まったばかりだから?
私は浮かれているのかもしれない。
「それは追々。急に全部変えるのは無理ですよ」
私の言葉に荒神さんが、また厚めのセクシーな唇を尖らせた。
最近格好つけてばかりだったのに、一度泣いてしまったらタガが緩んだみたいだ。
「ま、いーや。さて、俺んちに向かうのでいいよな」
荒神さんがそう言ったのは、いつもの私鉄に乗り換えてすぐだった。
彼の最寄り駅にはあと1~2分で到着する。同じ沿線の私の家はあと20分以上先。
……やっぱりそうなるよね。
このまま帰りましょうって感じじゃないよね。
私は赤くなっていないか頬を触りながら、おずおずと頷いた。
断る理由はもうない。
「イイ男だったのか?」
荒神さんが少し口を尖らせて問う。
私は笑って、彼の手をぎゅうっと握り直した。
「荒神さんの方が断然イイ男です」
「じゃあ、そろそろ名前で呼んでくんない?」
スネたような口調にことさら胸がときめくのは、恋が始まったばかりだから?
私は浮かれているのかもしれない。
「それは追々。急に全部変えるのは無理ですよ」
私の言葉に荒神さんが、また厚めのセクシーな唇を尖らせた。
最近格好つけてばかりだったのに、一度泣いてしまったらタガが緩んだみたいだ。
「ま、いーや。さて、俺んちに向かうのでいいよな」
荒神さんがそう言ったのは、いつもの私鉄に乗り換えてすぐだった。
彼の最寄り駅にはあと1~2分で到着する。同じ沿線の私の家はあと20分以上先。
……やっぱりそうなるよね。
このまま帰りましょうって感じじゃないよね。
私は赤くなっていないか頬を触りながら、おずおずと頷いた。
断る理由はもうない。