秘密が始まっちゃいました。
荒神さんの最寄り駅で降り、駅前のパスタ屋さんでランチにしてから、彼の自宅マンションに向かう。
来るのは、この前逃げ出しちゃって以来。


ヤバイ。
胸がドコドコ鳴ってて苦しすぎる。

私の心臓はランチをしている間からマックスで躍り狂っていた。


だって、この前お邪魔した時だって、『あんなこと』になったのだ。
今や完全に両想い。私たちが何をしようと障害はゼロだ。

しかも現在時土曜日の14時。
時間はありすぎるほどある!


これは……そういうことだよね。
そういう関係になるってことだよね。
当たり前?
うん、当たり前なのはアラサーですし、覚悟はあるんですけど……。


マンションは目前だ。
風が冷たいせいか、荒神さんが私の肩を抱き、ぐっと引き寄せる。
私は凄まじい緊張感の中、彼の顔を見上げた。
荒神さんの笑顔がすでに艶っぽいのは気のせいでしょうか……。
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