秘密が始まっちゃいました。
「なんですか?」


「……おまえ、本気で彼氏いないの?」


なんだか、あからさまに話をそらされた気が……。
ともかく、彼の挑戦的な言葉にかちんときて答えた。


「いません。そして、セクハラです!」


「もー、そんなことで怒るなよー。いーじゃん、おまえ今、社内抱かれたい男ランキング一位と酒飲んでんだから」


「何がいーんだかわかりませんよ!私、そのランキングあんまし興味ないですし」


「え?じゃ、おまえは投票の時、誰に入れたんだよ」


荒神さんは不満げに言う。おっと、自負があるのね。
抱かれたい男ランキングは年度末に行われる。なんと社内に有志の投票管理委員がいるのだから驚きだ。


「え?白票ですけど」


「マジでか!おまえなぁ、こういうのはノッておくのも女子力のうちだぞ」


なーんであんたが女子力を語るんだ。
< 39 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop