秘密が始まっちゃいました。
「うるさいですよ!それこそ、余計なお世話!」


私の怒声を封じるように、彼の人指し指が私の唇に押し当てられた。

くっ唇触る?フツー。
お酒で剥げたとはいえ、リップぬってるんですけど?
っていうか、無駄に心音が早くなる!

驚き過ぎて本当に言葉がなくなる私。


「俺、そんなに嫌いなタイプ?望月に好かれてる気がしたことないんだけど」


私は彼の手を無造作にどかした。


「これだけ日々煩わされて、荒神さんに好意的になれるわけないじゃないですか」


「そっかー、残念だなー。これを機にもうちょっとおまえと仲良しになりたかったんだけど」


「それは、荒神さん次第じゃないですか?」


私はむやみにドキドキさせられた怒りで、ついつい口調がきつくなる。
しかし、荒神さんは堪えていないばかりか、私を色っぽい瞳でじっと見据える。


「俺次第?なら、頑張ってみようかな?」


な、何を言い出しちゃった?
このメンズは……。

私、顔赤くなってない?
いや、もし赤くなってたとして、いきなり、ワケわかんないこと言われて戸惑ってるだけだ。
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