秘密が始まっちゃいました。
呉越同舟
①
お盆休みが明け、一週間。
8月の末に第一販売課と総務部の懇親会は開催された。
定時と同時に予約した『六さし』に走る私は、席のセッティングチェックや受付席の準備に追われた。
今回は通常の飲み会と違って、完全会費制で会場にて前払い。
部署で差が出ないように全員一緒の明朗会計にするのだ。
上司の方々から『お志』をいただいたら、残金は次回懇親会に回すことにする。
今回の会が一回きりのお義理ではないぞってアピールも兼ねてね。
18時過ぎに荒神さんが合流。
出欠席の確認をして、仕切りの打ち合わせをしているうちに参加メンバーが集まりだした。
私は受付に精を出し、荒神さんが部署問わず陽気に話しかけながら、席を割り振る。
なるべく部署単位で固まらないように考えているのだ。
18:30には参加メンバー40名が集まった。
仕事で遅れてくる数名を数に入れれば、ほぼ全員参加だ。
総務部はともかく、忙しい第一販売課は半分くらいしか集まらないと踏んでいたのに。
きっと荒神さんが頑張って声かけしたんだろうな……。
いや、わかんない。
あの人強引だから、「来るよなー?来るだろー?」でメンバー集めしたのかも。