秘密が始まっちゃいました。
「でも、望月さんが叱ってくれて助かるよ」


湯沢さんがシャープな一重の瞳を細めて言う。


「私たちじゃ聞いてくれないんだもん」


「私でも、聞いてくれてるか微妙ですよー」


「そんなことないですよ。荒神さん、ああ見えて望月さんから叱られた後は『望月が怒ったからやめるー』って反省してるんですから!」


楠木さんが言う。
うーん、それって……。


「本当に反省してるかなぁ……」


だってあの人を、同じことでしょっちゅう怒ってるんですけど。
タバコとか資源の無駄遣いとか。

私のブルーな顔に同意するように湯沢さんが頷く。


「ま、あの人って、よくわかんないよね」


「……そうですね、ハイ」


楠木さんも気まずそうに頷いた。
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