秘密が始まっちゃいました。
③
飲み会は大盛り上がりで終わり、私と荒神さんは幹事として一仕事終えることができた。
その裏で、私たちにあんなやりとりがあったことは誰も知らない。
翌日のランチタイム。
私は荒神さんに呼び出されていた。
会社から離れた場所がいいだろうと、JR飯田橋駅の東口で落ち合う私たち。会社とは反対側の改札だ。
昨日の今日だ。
お互いどんな顔をしたものか迷うよね。
……と思ったら、現れた荒神さんはすっかりいつもの調子。
「よ、望月。昨日はお疲れ」
まったく変わらないへらっとした笑顔。
そこに引け目や、不安はない。
あれ?普通だぞ、この人。
昨日の様子なら、今日はバレたショックでしょんぼりしてるんじゃないかと思ってたのに……。