秘密が始まっちゃいました。
「頼む、望月。おまえにしか頼めない。俺が涙もろいって知っているのは、現時点でおまえだけなんだ。どうしてもおまえのサポートが要る」


荒神さんが私を真っ直ぐ見つめてくる。
向かい合うことは今まで何度もあった。
しかし、大抵は怒っている私と、ヘラヘラしている荒神さんという図。

彼のこれほどに真剣な瞳を見たことがあっただろうか。

っていうか……、やっぱこの人イケメンですわ。
真面目に見つめられるとソワソワしちゃうよ。

私がドキドキソワソワしているのを、悩んでいるのだととった荒神さんは重ねて言う。


「もちろん、お礼はきちんとさせてくれ。無事、結婚式が終わったら、高級ホテルでディナーをおごってやる!」


「ディナーですか……」


「きちんとドレスコードがあるようなところな。希望があれば、言ってくれ。おまえの指定の店で予約とろう」
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