秘密が始まっちゃいました。
第一販売課の広いオフィスに到着すると、同期の福谷健(ふくたにけん)を見つけた。
「福谷、荒神さんいる?」
「あー、やっぱ望月が来ると思ってたんだ」
福谷は額に手を当てて言った。こいつも事件の共犯なのに、他人事感が半端ない。
「そりゃ、来るわよ。社内ルール遵守活動も総務の仕事だもん」
「はーい、いつも守らなくてすみませーん」
福谷は合掌し、首を傾げて謝る素振り。
可愛くないんだよ、29歳男子のその仕草は。
「で、私が文句言いに来たミスタールール無視はいずこへ」
「荒神さんならいつものトコ」
福谷が困った顔で答えた。
いつものトコ。
よーく心当たりがある。
私は福谷に背を向け、ズカズカと第一販売課のオフィスを後にした。
「福谷、荒神さんいる?」
「あー、やっぱ望月が来ると思ってたんだ」
福谷は額に手を当てて言った。こいつも事件の共犯なのに、他人事感が半端ない。
「そりゃ、来るわよ。社内ルール遵守活動も総務の仕事だもん」
「はーい、いつも守らなくてすみませーん」
福谷は合掌し、首を傾げて謝る素振り。
可愛くないんだよ、29歳男子のその仕草は。
「で、私が文句言いに来たミスタールール無視はいずこへ」
「荒神さんならいつものトコ」
福谷が困った顔で答えた。
いつものトコ。
よーく心当たりがある。
私は福谷に背を向け、ズカズカと第一販売課のオフィスを後にした。