秘密が始まっちゃいました。
「あー、泣いてしまった……」


言う割に反省や後悔の無さそうな荒神さん。
この人、真剣に涙を止めようとしてるの?
なんか、思いっきり泣いてストレス解消してるようにも見えてきた。


「もう18時ですね。私、おいとましますよ」


私は疲労と空腹から立ち上がった。
早く、帰ってしまおう。

この数時間の妙な緊張感も、肩凝りの原因に違いない。
荒神さんちから離れれば、楽になるでしょ!


「え?望月が持ってきてくれた一本も見ちゃおうぜ」


こーのーひーとーは!
どうしてそうマイペースなんだろ?


「置いていきますので、見ちゃってくださいよ」


私が言うと荒神さんがイヤイヤして見せる。


「ダメー。望月は最後まで付き合ってくんなきゃダメー」


「子どもですか!あなたは!」


「なんとでも言え!……とはいえ、腹減ったな」


ね?だから解散しましょってば。

< 90 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop