秘密が始まっちゃいました。
「よし!ピザでもとるか!」


「そーいう問題じゃないでしょう!?」


何食べるかの話はしていないぞ。
帰るって話をしてるんだぞ。

あと、お昼はパン、夜はピザじゃ栄養がかたよりまくりじゃん!


「野菜や、温かいスープなんかも摂った方がいいです」


「よし、じゃそれはコンビニに買い出しに行こう。ビールも無いしな」


私が妙な付けたしをしたせいで、荒神さんの家に居残ることをOKしたみたいになってしまった。

ばっ……バカか、私は!

荒神さんは私の否定や固辞を無視して、さっさとデリバリーピザを注文する。
そして、届くまでにコンビニに行くことになった。

お財布だけ持って、ぷらっと夕方の屋外に出る私たち。
夏の終わりだ。
日はようやく位置を低くし始めていた。

まだ明るい駅前通りを徒歩5分のコンビニを目指す。

こんなはずじゃなかったのになぁ。
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