秘密が始まっちゃいました。
映画は再生が始まっている。配給会社のテロップが画面に映るけれど、私たちはテレビを見ず、お互いの顔を妙な緊張感で見つめ合う。
ぎしっ。
そんな音をたてて、荒神さんの左手が私の座るソファの座面に置かれた。
私は内心びくっとした。でも、そんな姿を見せられない。
気圧されないように、荒神さんの顔から目をそらさない。
ソファの下から私を見上げる彼の顔は、本当に整っている。
そして、休日のせいか薄く顎に散らばる無精髭に気付いてしまった。前から似合うタイプだとは思っていたけれど、クッソー格好良いぜ!!
「望月さ、絶対俺のことナメてるだろ」
荒神さんが口を開いた。その口調は怒っているのではない。
何かを企んでいるかのように静かで、笑みすら含んでいる。
「一応、俺、年上」
「しゃ……社歴は私の方が上です」
自分の性格を恨む。こんな時に強がって、張り合ってしまうあたり。失策だ。
ぎしっ。
そんな音をたてて、荒神さんの左手が私の座るソファの座面に置かれた。
私は内心びくっとした。でも、そんな姿を見せられない。
気圧されないように、荒神さんの顔から目をそらさない。
ソファの下から私を見上げる彼の顔は、本当に整っている。
そして、休日のせいか薄く顎に散らばる無精髭に気付いてしまった。前から似合うタイプだとは思っていたけれど、クッソー格好良いぜ!!
「望月さ、絶対俺のことナメてるだろ」
荒神さんが口を開いた。その口調は怒っているのではない。
何かを企んでいるかのように静かで、笑みすら含んでいる。
「一応、俺、年上」
「しゃ……社歴は私の方が上です」
自分の性格を恨む。こんな時に強がって、張り合ってしまうあたり。失策だ。