私には味方がいない
「あんた子供くらい作りなさいよね。もう30歳になるんだから。」


「そんな、仕事ができなくなっちゃうじゃん。子供なんて要らないからー」

一杯目の焼酎を飲み干して、おかわりを注文する。

茄子の浅漬けを口に運ぶと、柔らかな塩分が口に広がった。

「歳取ってから産むと、育てるの大変になるのよ?」


ハジメさんがグラスに焼酎を注ぎながら言う。

「ハジメさんの子供はいま、どうしてるの?」


「さあね‥
親権は向こうだから私が知ったこっちゃないわ。」

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