俺様な数学教師に初恋しちゃいました。



「慎二、言わなくて大丈夫!」



微笑んで里奈が言った。



「わかるよ……わたし、もう長いこと慎二といたから。あと、ごめんね。ずっと慎二のこと騙してて」



「……そんな、いいよ謝らなくて」



俺だって里奈をずっと騙してたんだから。



そんな気持ちを察したのか、里奈はぎゅっと俺を抱いた。



「慎二はいい人だった。わたしにはもったいないくらいの人。でも、大好きでもいつかは変わっちゃうんだね。慎二もそうでしょ? 慎二、わたしをすっごく愛してくれてたもん。これ、わたしのうぬぼれじゃないよ」



「……うん」



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