俺様な数学教師に初恋しちゃいました。



ハンカチを差しだすと白川はそれを受けとり、涙をふいた。



しかし、白川の親が離婚寸前なんてのははじめて聞いたぞ?



「わたしは完璧なんかじゃないのに。寂しくて発作的に出かけた夜の街で、あの人に会いました」



あの人……さっきの男のことか。



だが、意外だ。白川がこんなふうに思っていたなんて。



俺は相づちを打つことをせず、ただ黙って話を聞く。



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