10年越しの再会
花田くん……………。
いや、まて。いやいや、まてまて。
“ドキッ”ってなんだよ。なんなんだ今の。
『瑞希、さっきから百面相しとって気持ち悪いんやけど』
「え!マジで?ごめんごめん」
『何?相手校のイケメンくんにトキメいたとか?』
「ん?イケメンくん?」
『相手校のピッチャー。あの歓声は奴とみた』
私はグラウンドに目を移した。いつの間にかうちの野球部の練習は終わっていて相手校の野球部が練習していた。
選手達はそれぞれ守備位置に付いてノックをうけている。
パァンーーーーーッ!!!!!
大きな音が鳴り響いた。と同時に周りが静寂につつまれる。
けどその静寂も一瞬にして破れた。
『キャーーーッ!花田くんイケメン!!』
『あのスピード神なんやけどーー!』
……………あ………れ?
私の視線は一点を見たまま止まっていた。
周りの歓声なんて全く気にせずグラウンドの片隅でピッチング練習をしている
花田くんの姿を見たまま____________