10年越しの再会

足音がどんどん近づいてくる。そりゃそうだ。あたしの隣の席を先生に指定されたんだから。

その足音はあたしの隣で止まる。

『……あれ?』


心臓が飛び出そうだ。

『こないだの…?』

あたしは目を合わせて「…どうも」とだけ呟き目をそらした。

ムリだ。目を合わせるなんで自殺行為だ。心臓が止まるかと思った。

『よかったぁ!知っとる子おって!おまけに隣の席とか俺めっちゃついとるやん!今日から1ヶ月よろしく!』

「うん、よろしく…」

今度は下を向いたままそう呟く。多分彼は笑ってる。その笑顔を見てみたいと思うけどやっぱり無理だと思った。




クラスのみんなの視線が痛い。





でも今は高鳴った鼓動を抑えるのに必死だった。
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