Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
とにかく、

負けず嫌いな咲陽が、必死に我慢してる涙を隠してあげたかった。



ごめん、芽美。

どんなに最低でも、勝手でも…


オレは咲陽を守りたい!




繋いだ手を、強く握り返してきた咲陽は、

オレを求めてくれてるみたいで…


このまま全てを捨てて、さらいたくなったけど…



本気でさらいそうになったけど…!



さっきの、幸せそうに寄り添う2人の姿が頭を過ぎった。



誠治さんは苦労して来た人だし、
人をちゃんと見てる。

今回の事で、咲陽を切り捨てたりしない
ハズだ。



咲陽の幸せを奪えなかった。



「ごめん…」

オレの所為で、また傷つけて…

そしてまた関わってしまって…



「…ありがと」

その言葉に救われて…

抑えきれない想いに流されるように、咲陽に近づいた。



芽美のヤキモチに対して…

「そんな心配要らないのにな…」

咲陽のその言葉は…


オレとの事は完全に終わってるって、

何の未練もないって、


そう断言されてるみたいで苦しくなった。


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