Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
一歩踏み出す
それから1カ月…

クリスマスも過ぎ、年末になった。


アタシは大掃除に必要なものを買出しに行ってた。



「夕月!?」



突然、懐かしい源氏名を呼ばれて、
振り返ると…



「…若菜さん!」



この街で、初めてアタシに親切にしてくれた先輩ソープ嬢。



「わぁ、懐かしい!元気してた?」


「うん、
若菜さんは、夢叶えたのか!?」

ずっと気になってた。


「当たり前でしょ?

あのあと、ワーキングホリデーになんとか間に合って、1年頑張って…

今カナダのバンクーバーで、現地の旅行会社スタッフとして働いてるよ。

オーロラツアーも企画してるんだ」


瞳をキラキラさせて話す若菜さん。



家が貧しくて、苦労した若菜さんは…

写真で見たオーロラに憧れて、
オーロラに関わる仕事がしたい!って夢を追っかけてた。


ツテがないから、ワーホリを足掛かりに
目指してて…

その資金と、当時高校生だった妹の学費、
そして自分が居ない間の、家族の生活費を稼ぐ為に働いてた。


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