Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
「大丈夫だ…

ゆっくり…
ゆっくり吐き出けばいい。


なにがあった?」


大きな手で包み込むように、マユキの頭を撫でるトモ。



「あたし…

あたしも…
大事な人の命を奪った…!

だって好きだから、断れなかった…

喜ぶ顔が見たかった…

だから風俗で働いて、クスリの調達資金を稼いでた。


そのせいでアイツの中毒は加速して…

おかしくなったまま運転して…


あたしのせいなんだ!


あたしがお金なんか作んなきゃ…

嫌われたって、断ってれば!
ウザがられたって、辞めさせれば!


アイツは死なずに済んだのに…」

はらはらと涙が溢れるマユキ。




ー「クスリ、なめてんなよ」ー

怖いくらい冷ややかで、哀しみを帯びた瞳で…そう言ってた事を思い出した。



そして…

ー「死ぬ事ばっか考えてた」ー



マユキの抱えてた傷に、どーしようもなく心が苦しくなった。



傷なんて、簡単に癒せるもんじゃない。


だけどマユキの心を包みたくて、そっと抱きしめた。


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