Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜

ただ…


「事実を知った順番が違ったら…
ヘーキじゃなかったかもな…」

最初の頃に知ってたら、ナオとは関わんなかったハズだ…

だからナオは隠してたんだな…


「…

なるほどな…」

ため息を吐くように、煙を吐き出すトモ。


「俺はな、尚の決断には賛成だった…

別に他探せばいくらでもいんだろーし、
何もこんなややこしい相手じゃなくていーだろって…」


「だから、
前聞いた時は教えてくんなかったのか?」


「あー、あん時は…
尚が帰ったっつーのもウソだ。

お前らを関わらせたくなかったからな」



な〜にィ〜!

フざけんなよ…!



そー言えば…

ー「ワリんだけど、尚の事…
そっとしといてくんねぇか?」ー


「そこまで(関わんの)拒否んなくてもいーだろ!」



トモは訴えかけるような瞳で、アタシを
見つめた。

「アイツが潰れたからな…」

「…潰れた?」


トモは、ビールを飲み干して続けた。


「ガキん頃から知ってっけど、
初めて見たよ…あんなアイツ。

龍の話じゃ、仕事も手に着かねぇぐれぇ
日に日に潰れてって…

見てらんねかったらしい」


< 193 / 316 >

この作品をシェア

pagetop