Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
そのビンタは、セージの愛がこもってる
ようで、愛じゃない…


欲(征服欲、独占欲)に満ちてて、恐怖を感じさせた…




もう大丈夫だと思ってたのに…


あの日の恐怖が甦る…




疼く左手…


乱れる呼吸…


込み上げる吐き気…




そんなアタシに、セージの乱暴なキス。


「…っ!!

ヤメろ…っっ!!」

あの日の嫌悪感と重なって、激しく抵抗した。



「そこまで嫌がんのかよっ!!!」

アタシの手を解いて、ベッドを叩きつける…

そんなセージを渾身の力で押し退けて、
トイレへ駆け込んだ…


抑えきれずに嘔吐するアタシを、追っかけてきたセージが茫然と見つめた。



少し落ち着いたアタシに…

「…

そんなに(吐くほど)…嫌か…?」

涙を流して、崩れ落ちるセージ…


「俺だって…

愛されてると思ったのに…」




胸が…


切り裂かれた…!



アタシもハルと同じ事してる…


ハツられた頬は痛かったけど、そんなん
当然の報いだ。



きっとセージの心の方が痛いんだ…


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