Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
「…

お世辞じゃねーよ…

咲陽の事は本気だった。
久美以外で唯一惚れたんだ…」



何言ってんだコイツ!?

そう思ってハルを見つめた。


「だだ、俺ん中で久美は特別だったから…

傷付いて、おかしくなってた久美をほっとけなかった。

けどもし、もっと長く咲陽と過ごしてたら…違ってたかもな」



フざけんなよ…

なんなんだよ!


今更 何言ってんだよ…


「じゃあなんであの時そう言ってくんなかったんだよ!?」


「…卑怯な気がしたんだよ。
自分、庇ってるみたいで…

それに、そんな感情 逆に残酷だと思った


なにより…
咲陽、負けず嫌いだからさ…
憎んだ方が乗り越えられると思った」



確かに負けず嫌いだけど…


限度があんだろ!!


キャパ超えして、死ぬとこだったし!!



でも…

アタシの性格、考えてくれてたんだな…



そー言えばナオも…

別れ際に「負けんなよ」って…


アタシはその言葉で乗り越えて来た。



アタシの事、解ってくれてたんだな…




アタシを苦しめてた事実は…
実はそんな悪くない姿をしてて…

改めて、向き合う事の大事さを思った。


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