Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
アタシの手に指を絡めて…


「どこまで話したっけ?」

って、なんもなかったみたく笑うナオ。




今のアタシ達には、それで十分だった。


お互いの温もりを、その手に記憶させるように…

ぎゅっと、ぎゅっと絡め合う。



そうしてアタシ達は、マユキ達が用意してくれた毛布の中で寄り添って…

手を繋いで眠った。






「咲陽…、咲陽!」

「…ん……、マユキ…」

朝、マユキに起こされた。


「朝ゴハン、どーする?」

「あ、ごめん…手伝うよ」


ふいに解こうとした手を…
ナオが無意識に絡み直してぎゅっとする。


アタシの心までぎゅっとなる…



「お前ら中坊か?」

ちょうど起きて来たトモが、アタシ達の
様子を見てツッコんだ。



クソ、恥ずかしい!

「おい、起きろよナオ!」


目が覚めたナオと、繋いだ手を解いてく…

それは、名残惜しそうにゆっくりと…
絡みついて、もつれるように…


アタシ達はきっと、ほんの指先だけでも…

繋がってたかった。


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