Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
さ…
寒っっ!!

冬(一応春だけど)の雨って、地獄だな!



「咲陽ちゃん!」

と、駆け寄るセージさん。


ほんとに見つけてくれたんだ…


セージさんは着ていたジャケットを脱いで、震えるアタシに掛けながら…

「雨降って、状況が変わった。
咲陽ちゃん尚ん家に、タオル借り行く事になったから」

と、小声で説明した。


そーなんだ?
つか、

「い、よ、セ…ジさ…」


ガタガタなって、言葉になんないけど、
ジャケットを返そうとした。


「いーから、甘えとけって」

と、そのままタクシーに押し込まれた。


「じゃあ尚、頼むな!」

そう言って、ドアは手動で閉められ…
タクシーは発車した。


大丈夫か、セージさん!?
あんなカッコで…
かなり寒ィのに…


「大丈夫か?咲陽…」

ナオの言葉で、今の状況をリアルに実感。



ヤバイ、ナオだ!


やっと会えたし…


「ん、なんか、ごめ…」

まだちょっと、うまく話せないけど…


ナオは優しく微笑んで、首を横に振った。


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