Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜
「誰も俺の中身を見ようとしない」


セージの一言が胸を揺さぶった。


セージも、アタシと同じコンプレックスを抱えてたんだな…



すごく愛しくなって、慰めるように そっと頬に触れた。


「なんで咲陽が涙ぐむんだ?」


「同じだからだよ…
アタシもずっと、同じ思いを抱えてきた…

セージが初めてだったんだ…
アタシの中身を好きだって言ってくれたのは…」


途端にセージがアタシを抱きしめた。


「咲陽!
好きだ咲陽!!

俺だって一緒だ…
飲み会で咲陽は、俺の苦労を察してくれた。
あの時俺は救われたんだ…」


「…

アタシでも、誰かを救えたんだな…」


「自分を過小評価すんなよ!

好きでもないヤツをいちいち察するヤツ
なんて、滅多に居ないぞ」



そうなのか?

でも、それを解ってくれるヤツも滅多にいねーよ…



アタシもぎゅっとセージに抱きついた。


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