君とカプチーノ。




辞職したはいいものの
「次のバイト先
見つけないと…」
はぁっとため息をついて
携帯片手にベッドで
仰向けになって
天井を見つめる。



一難去ってまた一難。



正直もうアルバイトなんて
うんざりだった。
墓穴掘って傷ついて
あぁ もう 
思い出しただけで
吐き気がする──────



ぼんやりした液晶を
うつろな瞳で見つめた。



『アルバイト
 短期 日払い』
検索。



携帯にすがる思いで
必死になって探した。
短期で日払いだったら
きっと人間関係で
悩む時間なんてないだろう



しかし 検索で出てくる
いくつものサイトは
どれも危ない仕事ばかり。



「やっぱりね…」
そう簡単に見つかるはず
ないか。
なんだかこんなこと
している自分が
鬱陶しくなって
検索している日々が
ただむなしく過ぎた。



そんなある日
一つのフレーズが
画面に現れ
私の心を大きく
動かすことになる──



撮影モデル 募集



モデル それは私にとって
天職みたいなものだった

何故なら私は昔から
おしゃれが
大好きだったから。



募集している人材は
・私の年代の女の子
・おしゃれが好きな人
・モデルに興味がある

時給はなんと2000円。



一瞬疑ってしまった。
きっと危ない仕事を
やらないといけないなって
諦め半分で見つけたけれど
どうやら一切
そういうものは
扱っていないみたいだ。



これだ
唯一私が出来る仕事
"モデル"



迷いはなかった。
カチッ
応募フォームに
必要事項を入力。



不安と期待を胸に
送信。



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