殺戮人形~憎しみと快楽人形~
プロローグ
―――プロローグ――――
また俺は仕事を失った
ドイツに2年留学していてもここ日本では役に立たなかった
美術の勉強も芽が出ず就職もできず途方に暮れていた
また自宅に帰りあてのない職を探すのか・・・
そんな風に絶望していた白昼
俺はマンションの玄関前に大きな箱が二つ並べられてるのに気づく
「・・・だれだよこんないたずら・・・」
ぶつぶつと文句を言いながら俺は箱に書いてある名前に目をやる
「グレール・アレクトギ」
見覚えのある名前だった
俺が5年前留学したドイツでホームステイしてた一家の主だ
娘のマリアちゃんと奥さんのカトリナさんの三人家族で
しかもお金持ちで幸せそうな家族だった
2年もお世話になりマリアちゃんがなついてしまい
しかもお兄と呼ぶまでになったっけ
懐かしい・・・
あの人からもらったものだまたすごいものなんだろうか
日本に帰ったあともネットのカメラ通話や文通
そしていろんなもの送ってもらい助かったいた
でも久しぶりの荷物にしては大きいな・・・
「まぁ・・・家に入れるか」
やっとの思いで家にいれ期待に胸を躍らせながら箱を開ける
「な・・・・なん、だ、これ・・・?」
二つの箱には人が入っていた
しかも赤い髪の長い女の子
服は二人とも灰色の長いワンピースで包まれている
見た目からにして14、5歳・・・息をしていないようだ・・・
「ぐ、グレール・・・さん、まさか・・・」
最悪のことを想定しながら俺は同封されていた手紙を恐る恐る読んでいく
―私の大切な息子。聖也―
・・・君がこの手紙を読んでいるということは
もう私はこの世にいないのだろう
君が日本に帰った翌年
我が家は集団強盗に襲われ
妻と娘を失った
私はその悲しみのあまり
作ってはいけないものを作り出してしまった
この人形だ
これは人の心に近いものを宿した人形だ
マリアの遊び相手に作ったのだが
マリア・・・妻を失い憎しみの中
作り上げた産物だ
心には憎しみしか宿していない
そして人の憎しみに触れると
快楽を覚えるのだ
今は手のように見える手も
彼女たちの意思で鋭い刃になり
刺されると人の細胞や
骨、筋肉は限界まで粒子化され
砂と化する
私の最高傑作だ
自分の意志もちゃんと有り動くこともできる
どうか彼女たちと共に
妻と娘を慰み者にし無残に殺した奴らを探してくれ
奴らは日本人だ
聖也・・・君と同じ言葉を喋っていたからだ
私は君にしか頼めないのだ
頼む・・・妻と娘を救ってくれ・・・。
――――――――
ここから先は茶色く汚れていてよく見えない・・・
まさか・・・
恐怖と絶望と動揺のせいか腰が砕けてしまい脱力する
グレールさんは死んだ・・・のか
あんなに優しそうな・・・
いやそれよりもこの人形を使って復讐しろっていうのか
日本のどこかにいるという敵を探して・・・
でもどうしろって・・・
いや、その前にこの子達は意志を持っているというし
起きるのか?・・・・そ、そうだもし起きるなら事情を聞けるかもしれない!
「ま、まずは・・・起こしてみようか」
でも起こすって言っても
・・・人形だろ・・・?
「ま、まさか昔見た本であったが・・・女の子のその・・・あ、あそこにまさかな!」
いやでも調べなきゃ始まらんしこの明るめの色した子から調べよう・・・
や、やましい気持ちなんてないぞ!
す、すこし、しら、べるだ、だ、だけ!!
「お姉様から離れてください。」
背後から低く品のある声だが威圧をかけられるようの声に我に返る
視界の右側に目を動かすと銀色に輝く四本の刃が首に突きつけられている
あの手紙にあった人を砂化する・・・
恐怖に戦慄した背中から冷たい汗が垂れる
「マスターとはいえお姉様にやましい気持ちで触れるなら容赦はしません」
「あ、い、いやその・・・」
やましい気持ちがなかったといえば嘘になるが・・・
「全く・・・お姉様!」
「ふにに・・・ふあぁぁ~よくねたぁー!あ!あんたが例のマスターか!いひひーはじめましてー!」
長く赤い髪を整えながら姉と呼ばれたその子は俺を見ている
俺に刃を向けてる子とは違い呑気そうな子だ
「ん!私はルビー(紅水晶)!よろしくね!んで、妹のガーネット(真紅石)、ほらガーネット仕舞いなさい!」
「・・・はじめましてマスター。」
ガーネットは刃を仕舞い長い髪を整えルビーに近づく
ルビーは立ち上がり部屋を見回した
「ほえー・・・これがマスターの部屋かぁ」
「あ、あのさ・・・グレールさんに何があったか話してくれないかな」
ルビーは笑顔だったがガーネットは眉を深く歪ませた
人の顔ではこんなにあからさまな憎しみの表情できる子はいないだろう
この話は順を置いてゆっくり話そう
一つ一つ聞いていけばきっと
「お父様は体を削るようにしながら私たちを作り上げてくださったの」
「・・・お父様はね、すごく憎んでたよ。」
息を飲んだ
あまりにはっきりとした濁りのない憎しみに触れて
俺はただその圧巻した感情に心が締め付けるような感覚に落ちた
「あ、そうそう!元はドイツにいたけど日本語はここに運ばれる時に覚えたんだ!」
「私たちは眠りというよく似た学習をしているの」
「つまり・・・人は寝てるけど私たちは寝てるように見えて実は寝てないってこと♪」
ルビーは赤い髪をなびかせ俺の横に座った
ガーネットは相変わらず俺より少し離れた場所にいた
警戒心が強いのか・・・
少しの話で大体は理解した。
「あ、そうだ。お父様から預かり物があるの」
「ん?」
ルビーは自分たちが入っていた箱を漁り一枚の紙を差し出す
「?!・・・これ、これ・・・」
「お父様の遺産だよ。受け取って」
ガーネットはまだ認めていなくても小さく頷いた
ルビーはまっすぐ俺を見つめ小さな紙切れ
グレールさんの残す数十億の遺産の小切手だった
俺はそれを受け取り彼女たちに協力すると誓った・・・
・・・この物語を支配する少女は殺戮人形。
「断罪探偵事務所にようこそ」
寂れたビルの奥。ひっそりと佇む小さな事務所
黒に銀色の装飾で飾られ白い字で書かれた黒水晶の文字は夜をも気づかせないほど
静かだった
俺は日本の警察も動いてないこの状況を俺は不審に思った
だがそれも直にわかる・・・
俺たちはまず彼女たちの力を活かせる仕事を考えた
「まあ、事務所を開いたのはいいんだけど・・・」
「はいはい!」
「・・・」
「はいはい!」
運びたてのソファーに寝そべるルビーがここぞとばかりに手を挙げた
「・・・嫌な予感しかしないがルビー」
「えっと・・・殺したい!いっぱい!」
唐突すぎる発言に俺は硬直した
いやもうこの際だ石化した、という方が正しいかもしれん
椅子に座っていたガーネットが立ち上がりルビーに近づく
お、これは流石にツッコミを入れるだろう
「さすがですお姉様。妙案ですわ」
・・・おいこら
「まてまてまて!!」
不思議そうな目でこちらを見る二人
なんだろうなぁこういう時だけ少女みたいな目になるんだよな
俺は立ち上がりホワイトボードに書き出した
「まあ二人共、まず考えられるのは探偵だな。人を探すってことも兼ねて」
「えーそれじゃあいつまでたってもあいつら殺せないじゃん」
不満そうにルビーが言うと手元にあったカラスの絵を見つめだした
「あ!そうだ!」
「ん?どうしたルビー」
ルビーは物置に駆け出して自分たちが入っていた箱を
あの時のように漁り始めた
「あの箱って何が入ってるんだ?」
「マスターにあって役立つようにってお父様が言っていたの」
俺的には巨額の大金が入っただけですごく感謝してるのに
いたりつくせりなんだなぁ・・・
足音を立てながらルビーが戻ってくると
手にはカラスの彫り物のようなものを持ってきた
「ルビーそれは?」
ルビーは黙ってニコニコ笑いながら
カラスの脚を薇のように回す
少し巻くと金具が嵌るような鈍い音が響き
黒いカラスの彫り物がみるみる深い紅に染まり
その紅の羽を大きく広げる
「いやぁルビー姉さんいつ起こしてくれるかひやひやしてましたわぁ」
「ごめんね?やっと思い出した♪」
羽を広げたカラスが陽気な声でルビーと話し出す
それを見るとガーネットも混ざりわいわいと昔話に花を咲かせてる
「まてまて、そのカラス?、は、なんだ!」
「あぁ、マスターか!俺はグリム、よろしくな!」
ぐりむ・・・?
え、カラスが彫り物で薇で動いてしゃべって・・・・??
目の前の風景にただ絶句してしまい
ただぽかんと口を開けることしか今はできない
するとその様子を笑いながら見ていたルビーがグリムを飛ばし俺の頭に
飛び立ったグリムが止まる
「え?!」
「この子はね人の憎しみが見れるの。しかも特別濃い憎しみが」
・・・?
なにをしようとしてるのか理解に苦しんだ俺はひとまずクリムを頭からどかした
クリムはすぐに飛び立ち俺の座っていた椅子の上に止まる
「つまりはこう・・・クリムに本当の憎しみを持った人を探させて・・・」
「私たちが、その人を殺すの」
二人の赤い瞳が命を宿したように輝いた気がした
この二人の考えにはいつも圧巻される
事務所を開くといったのも二人で
本当に人形なのか?
「わかったわかった。」
これ以上反論するわけもなく
彼女たちのやりたいようにやらせることにした
物語を支配する人形の話・・・
また俺は仕事を失った
ドイツに2年留学していてもここ日本では役に立たなかった
美術の勉強も芽が出ず就職もできず途方に暮れていた
また自宅に帰りあてのない職を探すのか・・・
そんな風に絶望していた白昼
俺はマンションの玄関前に大きな箱が二つ並べられてるのに気づく
「・・・だれだよこんないたずら・・・」
ぶつぶつと文句を言いながら俺は箱に書いてある名前に目をやる
「グレール・アレクトギ」
見覚えのある名前だった
俺が5年前留学したドイツでホームステイしてた一家の主だ
娘のマリアちゃんと奥さんのカトリナさんの三人家族で
しかもお金持ちで幸せそうな家族だった
2年もお世話になりマリアちゃんがなついてしまい
しかもお兄と呼ぶまでになったっけ
懐かしい・・・
あの人からもらったものだまたすごいものなんだろうか
日本に帰ったあともネットのカメラ通話や文通
そしていろんなもの送ってもらい助かったいた
でも久しぶりの荷物にしては大きいな・・・
「まぁ・・・家に入れるか」
やっとの思いで家にいれ期待に胸を躍らせながら箱を開ける
「な・・・・なん、だ、これ・・・?」
二つの箱には人が入っていた
しかも赤い髪の長い女の子
服は二人とも灰色の長いワンピースで包まれている
見た目からにして14、5歳・・・息をしていないようだ・・・
「ぐ、グレール・・・さん、まさか・・・」
最悪のことを想定しながら俺は同封されていた手紙を恐る恐る読んでいく
―私の大切な息子。聖也―
・・・君がこの手紙を読んでいるということは
もう私はこの世にいないのだろう
君が日本に帰った翌年
我が家は集団強盗に襲われ
妻と娘を失った
私はその悲しみのあまり
作ってはいけないものを作り出してしまった
この人形だ
これは人の心に近いものを宿した人形だ
マリアの遊び相手に作ったのだが
マリア・・・妻を失い憎しみの中
作り上げた産物だ
心には憎しみしか宿していない
そして人の憎しみに触れると
快楽を覚えるのだ
今は手のように見える手も
彼女たちの意思で鋭い刃になり
刺されると人の細胞や
骨、筋肉は限界まで粒子化され
砂と化する
私の最高傑作だ
自分の意志もちゃんと有り動くこともできる
どうか彼女たちと共に
妻と娘を慰み者にし無残に殺した奴らを探してくれ
奴らは日本人だ
聖也・・・君と同じ言葉を喋っていたからだ
私は君にしか頼めないのだ
頼む・・・妻と娘を救ってくれ・・・。
――――――――
ここから先は茶色く汚れていてよく見えない・・・
まさか・・・
恐怖と絶望と動揺のせいか腰が砕けてしまい脱力する
グレールさんは死んだ・・・のか
あんなに優しそうな・・・
いやそれよりもこの人形を使って復讐しろっていうのか
日本のどこかにいるという敵を探して・・・
でもどうしろって・・・
いや、その前にこの子達は意志を持っているというし
起きるのか?・・・・そ、そうだもし起きるなら事情を聞けるかもしれない!
「ま、まずは・・・起こしてみようか」
でも起こすって言っても
・・・人形だろ・・・?
「ま、まさか昔見た本であったが・・・女の子のその・・・あ、あそこにまさかな!」
いやでも調べなきゃ始まらんしこの明るめの色した子から調べよう・・・
や、やましい気持ちなんてないぞ!
す、すこし、しら、べるだ、だ、だけ!!
「お姉様から離れてください。」
背後から低く品のある声だが威圧をかけられるようの声に我に返る
視界の右側に目を動かすと銀色に輝く四本の刃が首に突きつけられている
あの手紙にあった人を砂化する・・・
恐怖に戦慄した背中から冷たい汗が垂れる
「マスターとはいえお姉様にやましい気持ちで触れるなら容赦はしません」
「あ、い、いやその・・・」
やましい気持ちがなかったといえば嘘になるが・・・
「全く・・・お姉様!」
「ふにに・・・ふあぁぁ~よくねたぁー!あ!あんたが例のマスターか!いひひーはじめましてー!」
長く赤い髪を整えながら姉と呼ばれたその子は俺を見ている
俺に刃を向けてる子とは違い呑気そうな子だ
「ん!私はルビー(紅水晶)!よろしくね!んで、妹のガーネット(真紅石)、ほらガーネット仕舞いなさい!」
「・・・はじめましてマスター。」
ガーネットは刃を仕舞い長い髪を整えルビーに近づく
ルビーは立ち上がり部屋を見回した
「ほえー・・・これがマスターの部屋かぁ」
「あ、あのさ・・・グレールさんに何があったか話してくれないかな」
ルビーは笑顔だったがガーネットは眉を深く歪ませた
人の顔ではこんなにあからさまな憎しみの表情できる子はいないだろう
この話は順を置いてゆっくり話そう
一つ一つ聞いていけばきっと
「お父様は体を削るようにしながら私たちを作り上げてくださったの」
「・・・お父様はね、すごく憎んでたよ。」
息を飲んだ
あまりにはっきりとした濁りのない憎しみに触れて
俺はただその圧巻した感情に心が締め付けるような感覚に落ちた
「あ、そうそう!元はドイツにいたけど日本語はここに運ばれる時に覚えたんだ!」
「私たちは眠りというよく似た学習をしているの」
「つまり・・・人は寝てるけど私たちは寝てるように見えて実は寝てないってこと♪」
ルビーは赤い髪をなびかせ俺の横に座った
ガーネットは相変わらず俺より少し離れた場所にいた
警戒心が強いのか・・・
少しの話で大体は理解した。
「あ、そうだ。お父様から預かり物があるの」
「ん?」
ルビーは自分たちが入っていた箱を漁り一枚の紙を差し出す
「?!・・・これ、これ・・・」
「お父様の遺産だよ。受け取って」
ガーネットはまだ認めていなくても小さく頷いた
ルビーはまっすぐ俺を見つめ小さな紙切れ
グレールさんの残す数十億の遺産の小切手だった
俺はそれを受け取り彼女たちに協力すると誓った・・・
・・・この物語を支配する少女は殺戮人形。
「断罪探偵事務所にようこそ」
寂れたビルの奥。ひっそりと佇む小さな事務所
黒に銀色の装飾で飾られ白い字で書かれた黒水晶の文字は夜をも気づかせないほど
静かだった
俺は日本の警察も動いてないこの状況を俺は不審に思った
だがそれも直にわかる・・・
俺たちはまず彼女たちの力を活かせる仕事を考えた
「まあ、事務所を開いたのはいいんだけど・・・」
「はいはい!」
「・・・」
「はいはい!」
運びたてのソファーに寝そべるルビーがここぞとばかりに手を挙げた
「・・・嫌な予感しかしないがルビー」
「えっと・・・殺したい!いっぱい!」
唐突すぎる発言に俺は硬直した
いやもうこの際だ石化した、という方が正しいかもしれん
椅子に座っていたガーネットが立ち上がりルビーに近づく
お、これは流石にツッコミを入れるだろう
「さすがですお姉様。妙案ですわ」
・・・おいこら
「まてまてまて!!」
不思議そうな目でこちらを見る二人
なんだろうなぁこういう時だけ少女みたいな目になるんだよな
俺は立ち上がりホワイトボードに書き出した
「まあ二人共、まず考えられるのは探偵だな。人を探すってことも兼ねて」
「えーそれじゃあいつまでたってもあいつら殺せないじゃん」
不満そうにルビーが言うと手元にあったカラスの絵を見つめだした
「あ!そうだ!」
「ん?どうしたルビー」
ルビーは物置に駆け出して自分たちが入っていた箱を
あの時のように漁り始めた
「あの箱って何が入ってるんだ?」
「マスターにあって役立つようにってお父様が言っていたの」
俺的には巨額の大金が入っただけですごく感謝してるのに
いたりつくせりなんだなぁ・・・
足音を立てながらルビーが戻ってくると
手にはカラスの彫り物のようなものを持ってきた
「ルビーそれは?」
ルビーは黙ってニコニコ笑いながら
カラスの脚を薇のように回す
少し巻くと金具が嵌るような鈍い音が響き
黒いカラスの彫り物がみるみる深い紅に染まり
その紅の羽を大きく広げる
「いやぁルビー姉さんいつ起こしてくれるかひやひやしてましたわぁ」
「ごめんね?やっと思い出した♪」
羽を広げたカラスが陽気な声でルビーと話し出す
それを見るとガーネットも混ざりわいわいと昔話に花を咲かせてる
「まてまて、そのカラス?、は、なんだ!」
「あぁ、マスターか!俺はグリム、よろしくな!」
ぐりむ・・・?
え、カラスが彫り物で薇で動いてしゃべって・・・・??
目の前の風景にただ絶句してしまい
ただぽかんと口を開けることしか今はできない
するとその様子を笑いながら見ていたルビーがグリムを飛ばし俺の頭に
飛び立ったグリムが止まる
「え?!」
「この子はね人の憎しみが見れるの。しかも特別濃い憎しみが」
・・・?
なにをしようとしてるのか理解に苦しんだ俺はひとまずクリムを頭からどかした
クリムはすぐに飛び立ち俺の座っていた椅子の上に止まる
「つまりはこう・・・クリムに本当の憎しみを持った人を探させて・・・」
「私たちが、その人を殺すの」
二人の赤い瞳が命を宿したように輝いた気がした
この二人の考えにはいつも圧巻される
事務所を開くといったのも二人で
本当に人形なのか?
「わかったわかった。」
これ以上反論するわけもなく
彼女たちのやりたいようにやらせることにした
物語を支配する人形の話・・・