オーロラ ヲ 解く




でもノノちゃん。

その言葉は、いまさらって気がする。


ユズルさんとは、
何十回も会って、話してるし、
ノノちゃんだって、一緒に話してるし。


いくら私の反射神経が悪くてトロくても……ユズルさんと会うのが久しぶりでも……

ユズルさんの顔は、ちゃんと覚えてるもん…。




「では、宜しくお願いしますね」



少し硬めの声音でそう言ったノノちゃんは、ドアの向こう側に消えていった。



「ソファーへ」



部屋に居たのは、背の高い男の人。

その人は、私を一瞥したあと、真っ白のソファーへ私を促した。

私は、ノノちゃんに忠告されたことも忘れて、向かい合うように座る男の人を凝視してしまった。



< 14 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop