オーロラ ヲ 解く
でもノノちゃん。
その言葉は、いまさらって気がする。
ユズルさんとは、
何十回も会って、話してるし、
ノノちゃんだって、一緒に話してるし。
いくら私の反射神経が悪くてトロくても……ユズルさんと会うのが久しぶりでも……
ユズルさんの顔は、ちゃんと覚えてるもん…。
「では、宜しくお願いしますね」
少し硬めの声音でそう言ったノノちゃんは、ドアの向こう側に消えていった。
「ソファーへ」
部屋に居たのは、背の高い男の人。
その人は、私を一瞥したあと、真っ白のソファーへ私を促した。
私は、ノノちゃんに忠告されたことも忘れて、向かい合うように座る男の人を凝視してしまった。