オーロラ ヲ 解く
当たらずとも遠からず、といった回答をたたき出した。いや私はこの言葉に驚きつつも、むしろ好ましいとすら感じた。
「うしろ…?」
「名簿が後ろ」
なるほど
そう小さく笑った男は「クモが他人のことを覚えてるなんて、めずらしいこともあるね」ちょっと馬鹿にしたようにも見える。
「で、あなたはだれ?」
「え?俺のこと知らない?」
胡散臭く驚いた表情を作る男だけど、結構本気らしいことはその瞳が物語っていた。
「あなた…」
記憶のページをめくる私に、男はにこにこと待つ。