最初で最後の恋〜君と過ごした時間〜
「直哉ー?」

「なに?しょーた。」

学校の休み時間にぼうっとしていたら、翔太が話しかけた。

「なぁに?しょーた。じゃねぇよ。なにニヤけてんだよ。気持ち悪りぃな。」

「きっ、気持ち悪い?!心外だな。ニヤけなんかn………うふ、ふふ」

「ニヤけてんじゃねぇか!きんもっ!藤崎さんとなんかあったんだろ?」

「え?!なんで、きづいて……。誰から聞いた?」

「誰からでも聞いてねぇっつーの。直哉。わかりやすすぎ。で?告白成功?キス?なにした?」

「えっとぉ〜電話番号聞けて〜、公園行って〜一緒に夕焼け見た♪うふ☆★(*☻-☻*)」




あ、これは、キモい。自分で、実感した。



「それだけかよ!純情っつーか、はよ、告白しろっ!お前、結構顔良くてそこそこモテんだから、キモい顔なんとかしろ。テンション高いのも抑えろ。藤崎さんに引かれるぞ。」

バシバシと翔太にチョップされる。

「ハ……ル……に引かれる……?だと?」

僕は、真顔になる。

「普通にしとれ。」

バシ、と翔太にまたチョップされた。

「秘密ね?って……可愛かったなぁ。」

「ノロけんな。リアジュウバクハツシロ。」



ガラガラ

ドアが開く。

「おはよう!」

桃の香りと共にハルが現れる。

「ハル…!」

僕は手ぐしで髪を整える。

僕は自然に笑顔になる。

「おはよ♪直哉君。」

「おはよう、ハル。」

僕は幸せでいっぱいになる。
僕は君に恋してよかったと心から思った。






















その日も平凡な、「普通」の一日が始まったよね。

僕はその日は君が学校に通い、笑顔でおはよう、と言えるのは当たり前だと思っていた。笑いあえる事が難しいと思う事を知らなかった。

君の声が聴けるのも。





当たり前では無かったのにね。





君の歌う声が聴きたいよ。



君の香りも、


君のなびく髪も、


君の笑顔も、


君の仕草も、


君の白い肌も、




昔も、今も、大好きだった。
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