最初で最後の恋〜君と過ごした時間〜
「暑っちぃな。」
春の日差しの中、校門でハルとりんごちゃんを待つ僕の横で翔太が、きだるそうに呟いた。
「そだね。」
僕はぼそりと呟いた。
「……ねぇ、翔太。」
「あぁ?なに?」
「りんごちゃんの事好き?」
「まだわかんねぇよ。会ったばっかだしさ。」
翔太は、そっぽ向いた。
「それより直哉はどうなんだよ。ハルの事……好きか?」
「ああ、はっきりわかってる。嘘は付かない。僕はハルの事好きだ。大好きだ。守りたい。いや、守って見せるよ。」
「スッキリした感じだな。かっこいいな。素直で。」
翔太のおかげだよ。
僕はそんな言葉を飲み込んだ。
この言葉は両想いになれたら……
絶対、直接感謝の気持ちを伝えよう。
「あ!いたー!またせちゃった?」
「ごめん、遅くなっちゃった…。」
振り向くとりんごちゃんとハルが駆け寄ってくる。
「大丈夫、あんまり待ってないよ。行こうか。」
「うん!」
僕たちは、並んで歩いた。
幸せだなぁ……。
そうはっきり、感じた。
空を見上げると、僕のココロのように澄んだ空。
「なんか、凄く青春してる感じする。」
「それ、なんか、凄くわかる。」
りんごちゃんが笑う。
「青春…いいね、そんな感じする。」
ハルがほほえむ。
「してる感じ、じゃないだろ、青春真っ只中だろ?」
翔太が僕の背中を叩いて、にっこり笑顔を向ける。
みんなで笑あった日、僕は忘れないだろう。
またみんなで笑いあえると信じて。