最初で最後の恋〜君と過ごした時間〜
君との出会い。〜ピンク色の時間〜
前に遡る。これは、僕と君との記憶と軌跡だ。

君、(藤崎春)に

僕、(坂田直也)が会ったのは桃ケ丘高校に入ってからだった。

「ね、君。ネクタイ、緩んでる。」
入学し、初めてクラスに入った時に初めてかわした言葉が、これだった。
ハルはそう言って微笑んだ。

「お、さんきゅ。」
僕はネクタイを締め、照れ笑いをした。

初めの印象は、「しっかりしてそう」だった。初めて会う人のネクタイまで見て、緩んでる事に気が付ける事は身だしなみに気をつけているのだろうと思った。

「君、同じクラスなんだね。始めまして。なんていう名前？」
ハルは首を傾げた。

「坂田直也だよ。始めまして、君は？」

「ハル、藤崎春だよ。直也君。よろしくね。」

藤崎春と言う名前はハルに良くにあっていた。ハルは雰囲気はピンクだった。柔らかな優しいオーラをまとっていた。
ピンク色のくちびる、艶のある肌、ぱっちりした目もと。すこし丸っこい鼻、ボブのつやつやした髪が印象的だった。

「じゃあまたね」

ハルはスカートをひるがえし、 行ってしまった。
ハルの居た所は桃の香りがした。

「またね………」
僕はハルの後ろ姿に小さく手を振った。

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