最初で最後の恋〜君と過ごした時間〜
ハルと出会って、一週間がたった。

それからは、時々ハルから話しかけてくれたりもしたが、お互い友達もいるため、あまり話すことは出来なかった。

僕にはハルと話す時間が足りなかった。

僕は、スマホを見つめる。

電話番号くらい聞くべきだったと激しく後悔した。

僕は友達の翔太と、学校帰りにコンビニでアイスを買って食べていた。

「なぁ、直也。最近うわの空で、どうしたんだ?」

「……気になる子が居て…」

「マジ?誰。」

「藤崎春。」

「ぁあ、直也にたまに話しかけてくる子か。あの子可愛いよな。直也面食いだな。」

「そんなんじゃねぇよ。気になるだけ。」

「電話番号は?」

「知らね。」

「なんだよ。聞けばいいべ。」

「あっちから聞いてこないから、聞かない方がいい。」

「待ってても仕方ないよ。自分から行動しないと。あの子可愛いんだからすぐ取られるぜ。」

「そうですか。」

でも、ハルの事がすごく気になる。なんで?自分に問いかける。

「なぁ、素直に藤崎さんに電話番号聞けばいいのに。好きなんだろ?」

「そんなんじゃ…」

「そうだよ。」

「だから違うって………多分。」

「今度、絶対電話番号聞けよ。な?そうじゃないと、俺、藤崎さん可愛いし、狙っちゃおうかな〜?」

「え?!お、おい?まじで?」
僕は思わず立ち上がる。

「嘘嘘wだーから、ちゃんと電話番号、聞けよ?」


「分かったよ。……ありがと。」


僕は翔太と夕暮れの空を見て約束した。

そして、翔太と自転車を押して行った。
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